没後50年 オススメの江戸川乱歩作品3選

ranpoふだん読書の習慣を持たない人でも、江戸川乱歩の名を知らない人は、そう多くないだろう。

ミステリー作家の登竜門である江戸川乱歩賞にもその名を残す、有名な作家ではあるが、なかなか国民的作家とは言い難いし、人にも薦め難い。

薦める作品によっては、人間性を疑われてしまう危険性すらある。
それくらい乱歩の、ある種の作品は昏い淫靡な雰囲気に彩られていて、またそれが一番の魅力でもある。

今回は僕の人間性が疑われてしまうことを覚悟のうえで、オススメの作品をご紹介しよう。

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パノラマ島奇談

タイトルは「奇談」や「奇譚」、「綺譚」など、今現在においても出版によって様々。
この時点で、この作品の特殊性がうかがえる。

貧乏作家の主人公が、死亡した瓜二つの大富豪の友人と入れ替わり、かねてから夢想していた理想郷、パノラマ島を実現する。
自分の正体に気づいた富豪の妻を殺害すべく、パノラマ島へ連れ込むが…

何といっても圧巻は、パノラマ島の描写。
延々と続くその描写は、正直ストーリーにはあまり関係なく、読みようによっては退屈な部分ではあるが、これを丹念に書き込んだ乱歩の狂気を最も感じられるところである。

陰獣

小説家の主人公は、実業家夫人から同じく作家の男にストーカーされていることを相談される。
夫人に惹かれている主人公は、ストーカーの作家をを調べるうちに、夫人の夫が殺害されてしまうのだが、その真相は…

犯人候補が二転三転し結局のところ誰だったのか、という、乱歩にしては推理小説らしい作品ではあるが、そこにはやはり人間の持つ暗黒面が生々しく描かれている。

ストーカーの作家は、乱歩が自分自身をモデルにしているようで、その著作も自身のセルフパロディーになっているところも楽しい。

孤島の鬼

乱歩の狂気炸裂。
現在では、とても出版が許されないであろう作品。

婚約者を殺害された主人公(♂)は、自分に想いを寄せる男(!?)を犯人と疑う。
調査を依頼した探偵も何者かに殺害され、その遺品から婚約者と男が、同じ島の出身者であることを知る。
主人公は、その島へ潜入するが、そこは…

と、あらすじでは書ききれない、複雑なストーリーと狂気に満ちた作品だ。
グロテスクな描写も多々あるので、苦手な人は止めておいたほうがイイかも…

でも、乱歩の魅力が遺憾なく発揮された作品のひとつであることは間違いがない。
僕のイチオシの作品だ(人間性が疑われそう…)。

陰獣と孤島の鬼はKindleでカップリングされているので、これ1冊(?)で2作品楽しめてお得だ。

まとめ

江戸川乱歩といえば、名探偵明智小五郎や怪人二十面相、小林少年率いる少年探偵団なんかが有名だけど、ご紹介した3作品には、いずれも登場しない。
まぁ、二十面相や少年探偵団は別にしても、D坂の殺人事件屋根裏の散歩者など明智探偵登場作品にも名作はある。

でも、やっぱりこの3作品が、僕のベストなんだよな…
興味のある方は、ぜひ!


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