平井和正氏 死去

平井和正a
平成27年1月17日、作家の平井和正が亡くなった。
昭和13年生、寅年、76歳…

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平井和正は僕が初めて、この作家の著作は全部読みたい、と思った作家だ。

当時(たぶん中学生くらい)、読書の楽しさに目覚めた僕は、国内外の小説をSFを中心に片っ端から読んでいた。
そんな時、友人に薦められたのが平井和正だった。

「幻魔大戦」の作家、くらいの知識はあったが(アニメ化される数年前の話だ)、ほとんど興味はなかった(当時の僕は、スター・ウオーズの影響で、スペースオペラ系の話が好きだった)。
だから、チョット読んでみるか、くらいの気持ちで一冊手に取った。
ハヤカワ文庫版の「狼の紋章(エンブレム)」だ。

衝撃的だった。
今まで読んでいた小説にはなかった世界観が、そこにはあった。
ほとんど一気に読みつくし、すぐに続編の「狼の怨歌」を買いに走った。

それ以来、お小遣いの大半は平井和正の著作に注ぎ込まれることになった…

2

平井和正と言えば「幻魔大戦シリーズ」や「ウルフガイシリーズ」が有名だ。
そして漫画(後にアニメ化)「8マン」の原作者でもあった。

だから長編シリーズ物の作家、というイメージが強いが、僕が好きなのは初期の短編だ。

「ウルフガイシリーズ」も短編「悪徳学園」が元になっている。
ストーリーは「ヤング・ウルフガイシリーズ」に、主人公のキャラクターは「アダルト・ウルフガイシリーズ」に継承されている。

その他の短編も良い。
「レオノーラ」や「悪夢のかたち」は、たまらなく悲しく美しい…
そして、とてもロマンチックだ。

特に短編では、文章の美しさが際立っている。
僕の中で平井和正は、三島由紀夫と並んで美文作家のひとりだ。
過不足のない端正な文章が、作品世界を際立たせている。

平井和正b

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今現在「幻魔大戦シリーズ」や「ウルフガイシリーズ」はKindleで読むことができる。
ただ、短編のほとんどはKindle化されていないだけでなく、新本で読むこともできない。
とても残念なことだ。

そして、シリーズのほとんどは、未完のまま終わっている。
まぁ、たぶん完結しないだろうな、とは思っていたけれど…

ただ、「新幻魔大戦」の続編だけは読みたかったなぁ…

寒風吹きすさぶ、廃墟と化した江戸の町。
そこを粗末な着物一枚、裸足で平然と闊歩する犬神の少年…

そんなプロットまでは、でき上がっていたらしい。

魔人正雪と戦う、ミュータントお時をサポートする犬神少年の活躍を、ぜひ読んでみたかった…
返すがえすも残念だ。

心より、ご冥福をお祈り致します。

[文中敬称略]

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