デジタル・ワビサビのすすめ 「大人の文化」を取り戻せ

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『デジタル・ワビサビのすすめ 「大人の文化」を取り戻せ』を読んだ。
作者は、たくきよしみつ氏。
本書は6つの章から構成されている。

第1章 SNSの光と闇
第2章 個人情報筒抜け時代を生き抜く
第3章 XPでも大丈夫 !?
第4章 スマホがなくても大丈夫
第5章 「デジタル・ワビサビ」への道
第6章 「大人の文化」を取り戻す

第1章から第4章までは、現在のネット社会が持つ利便性と危険性を具体例をあげて解説されている。
通常のデジタル解説書とは、一味違った切り口だ。
僕自身、デジタル系には強いつもりだったのだが、知らないことも多かった(それが本書を手にとった理由だ)。

驚いたのはこの作者が、僕よりけっこう(?)年上だったことだ。
改めて、ITリテラシーに年齢は関係ないと感じた。

本書にもあるとおり、自分が日常的に使っているスマートフォンが、twitterやFacebook、LINEを通じてどこまで繋がっているのか、本当にわかっていないのは若年層なのだろう。
それがいわゆる「バカッター」と呼ばれる人々を生み出したのだが、物心がついた時にはネットが完備されていて、初めて手にした端末は、すでにSNSが利用可能になっている彼らには、それがどういうことなのか考える必要も理由もなかったのだろう。

本当は、そんな人にこそ本書は読んで欲しいのだが、たぶんそんな人は読まないんだろうなぁ…
「情弱」という言葉は個人的には好きではないのだが、ITリテラシーも格差が広がっていく一方なのかも知れない。

本書の本題「デジタル・ワビサビ」の解説は、第5章からだ。
本来「デジタル」と「侘び寂び」は相反する存在だ。
しかし、氏の提唱する「ワビサビ」はいわゆる「侘び寂び」とは、少し意を異にする。

わびさび(侘び寂び)の原意は、質素で静かな境地、足るを知り必要最小限のもので精神の深みを表現する、といったことだろう。
しかし、本書の「はじめに」でも紹介したように、スティーブ・ジョブズはわびさびに「魂や直感を信じること」という自身の人生哲学を重ねて見ていた。
(中略)
こうした拡張的な解釈としてのわびさびを本書では「ワビサビ」とカタカナで表記し、そのワビサビの境地をデジタル手段で実現することを「デジタル・ワビサビ」と呼んでいる。

音楽や写真・映像はもちろん、絵画から文章表現まで、あらゆる芸術がデジタル化されている。
それによって失うものもあるが、得るものも少なくない。

誰でもデジタルを使い、ウエブを通じて簡単に(安価に)発信、表現できる時代だ。
それを「大人」として使いこなし、豊かな人生を送ろうというのが本書の趣旨だ。

そういう意味では、一時期流行語にもなった「断捨離」や「ノマド」も、「ワビサビ」に通底するのかも知れない。

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