【都会の鼠と田舎の鼠】マイルドヤンキーって、ホントにいるの?

最近、ネットで「マイルドヤンキー」っていう言葉を時々見かけるんで調べてみたら、この本が出典だった。

興味があったんで、読んでみた。

それによると、マイルドヤンキーとは、

・地元(家から半径5km)が好きで、極力地元から出ない。
・「家族」「仲間」を重要視する。
・ショッピングモールが好き。
・ミニバンに乗っている。
・ITリテラシーが低い。
・上昇志向に乏しい。
・EXILEのファン。

ということらしい…

☆ ☆ ☆

僕の前の職業はアパレル系の小売業で、マネージャーをやっていた。
各店舗をまわって、店長や副店長とミーティングしたりするのが主な仕事だ。
店舗は、都心のファションビルに出店している店舗と、アウトレットモールを中心とした郊外型の店舗に大別される。

両型の店舗をまわっていて感じたのは、同じ職種、同じブランドの店舗でも働いているスタッフのタイプが少し違うこと。

都心型店舗で働くスタッフは、比較的上昇志向が強い。
店長を目指すことは当然で、できればさらにその上、本部勤務を希望する子もいる。
そんな子は場合によっては、転勤も厭わないと言う。

一方、郊外型店舗で働くスタッフは上昇志向が少なく、なれれば店長くらいにはなりたいが、それで転勤の可能性が出てくるのならなりたくない、という子が多い。

都心型店舗のスタッフは、もちろん都市近郊で家族と同居している子が多いが、郊外から、あるいは地方から単身出てきて一人暮らしをしている子もいる。
郊外型店舗のスタッフは、ほぼ100%地元で家族と同居だ。

都心型店舗の通勤は公共交通機関限定だが、郊外型店舗は自動車通勤が認められている。
交通インフラが発達していない郊外では、日常生活でも自動車は必需品だ。
だから、ほとんどのスタッフがマイカーを持っている。
都心型店舗のスタッフには、免許証すら持っていない子もいる。

☆ ☆ ☆

そんなわけで僕自身、この本に書かれていることは、ある程度同意できる。
しかし、もっと思うのは…

こんなん、昔からいてるやん!

ということだ。

僕がこの仕事を始めた20年近く前からこの傾向は変わらない。
なぜ、今さら新しくネーミングしてまで彼ら(彼女ら)を取り上げるのだろうか? と思っていたら、最後まで読んで合点がいった。

著者は子供の頃、父親の転勤でシドニーに住んでいたらしい。
中学生の時、家族旅行でイタリアにも行ってる。
これでは実際のヤンキーに出会うこともなかっただろう。
(大阪の下町で育った僕とは、全然違う…)

著者の中でのヤンキーは、「ビー・バップ・ハイスクール」であり「ろくでなしBLUES」であり「金八先生の加藤優」、つまりフィクションの中のヤンキーが彼のヤンキー像なのだ。

フィクションの中のヤンキーは、当然デフォルメされている。
だから、現実のヤンキー(という表現が正しいかどうかは別にして)が新しく見えたのかも知れない。

実際、この本が話題になり、マイルドヤンキーなる文言がメディアにとりあげられている、ということはこの考え方自体が受け入れられている、ということだ。
これは、何を意味するのだろうか…

これだけをもって、「都市部と地方の二極化」だったり「格差社会の象徴」であったりを語るのは尚早だと思う。
でも個人的には、この本を読んでいる間、薄ら寒いものを感じていたのは事実だ。
何か新生物を見ているような、著者の“上から目線”を感じていたからかも知れない…

読み物としては、単純に面白かったんだけどね…

このまま「マイルドヤンキー」という言葉が広がっていけば、今年の流行語大賞になるかもね。
まぁ、流行語大賞なんて、どうでも良いんだけど…

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