SF映画といえば特殊撮影、特撮がつきものだ。
しかし特撮を使わなくても映画は撮れる。
僕が好きな、特撮を(ほとんど)使っていないSF映画を2つ紹介しよう。
どちらも邦画だ。
散歩する侵略者
行方不明になっていた夫がみつかる。
夫は人が変わったように優しくなり、どういうわけか仕事も辞め、毎日散歩を繰り返す。
不審に思った妻は…
原作は舞台劇のようだ。
舞台劇だから、当然特撮は使えない。
映画版の方も一部を除いて、ほとんど特撮を使っていない。
物語は、行方不明だった夫が人が変わってみつかった妻と、一家惨殺事件を取材するトップ屋の男の、2つの視点を中心に進む。
ラストは少しご都合主義的ではあるが、後味は悪くない。
SFと同時にサスペンス的な一面も持つ良作だ。
散歩する侵略者
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ブルークリスマス
全世界で未確認飛行物体、UFOの目撃が頻発する。
目撃した人間は、血液が青く変化する。
やがて、青い血液の人間が反乱を起こすのではないかという、疑心暗鬼が世界に広まる…
特撮の東宝が、満を持して公開した特撮を使わないSF映画。
こちらは完全に特撮を使っていない。
UFOは登場しているが、その姿は表現されず、それを目撃している人を描写することでUFOの存在を表している。
個人的なみどころは、死神博士こと天本英世と、怪奇大作戦の岸田森のツーショット。
さらに、この映画の英語題名「BLOOD TYPE:BLUE」は、「新世紀エヴァンゲリオン」で使徒の波長パターンとして引用されている。
特撮は使われていないが、特撮ファン・庵野ファンは必見だ。
物語はジャーナリストがUFOの秘密を探る前半部と、自衛官と青い血の女性の悲恋を描く後半部に分かれる。
40年以上前(1978年)の公開で、決して後味の良い作品ではないが、今観ても(今だからこそ?)妙にリアルだ。
ブルークリスマス
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まとめ
特撮がなくてもSF映画は成立する。
個人的には特撮は好きだけど、特撮を(ほとんど)使わないSF映画も悪くない。
[文中敬称略]
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