東映のYouTubeチャンネル「東映シアターオンライン」が、昔懐かしい古き良き時代のテレビドラマの、第1話・第2話を無料配信している。
いずれも名作ドラマだが、僕が特に推したいのは、松田優作主演の伝説のドラマ「探偵物語」だ。
第1話「聖女が街にやってきた」
女子高のシスターが、教え子から盗みを働いてしまったとハンドバッグを渡される。思案のあげく、このオレに持ち主へ返して欲しいとの依頼が持ち込まれる。オレはそのバッグを返すため、持ち主のマンションを訪れると…。
記念すべき「探偵物語」の第1話。
ここから、すべてが始まったといっても過言ではない。
監督は村川透、脚本は丸山昇一。
映画「処刑遊戯」や「野獣死すべし」で、主演の松田優作とは名トリオだ。
面白くないはずがない。
松田優作
松田優作
さらに特筆すべきは、後に松田優作夫人となる熊谷美由紀が、女子高生役で登場しているということ。
また、熊谷美由紀は第18話「犯罪大通り」でも、重要な役(第1話とは別役)で出演している。
他にも佐藤蛾次郎や山谷初男、団巌など、松田優作と映画やドラマで共演している、おなじみの役者も多数登場している。
第2話「サーフ・シティ・ブルース」
夏が終わり、美しい人妻から依頼を受けたオレは、愛車ヴェスパで逗子へと飛んだ。甘く乾いた匂いが漂うこの事件はとても切ない事件となった。
前作と同じ監督は村川透。
脚本は前作と変わって、「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズなどの那須真知子。
コメディー色の強かった前作と異なり、しっとりとしたハードボイルド作品に仕上がっている。
コメディーとハードボイルドのバランスのとれた、全作中でも出色のできだ。
どこかレイモンド・チャンドラーの匂いも感じる。
個人的に好きなエピソードのひとつだ。
本作のヒロインを演じる中島ゆたかの、怪しい美しさも注目。
中島ゆたかは第19話「影を捨てた男」で、まったくキャラクターの違う別役を演じている。
このあたりを見比べてみるのも楽しい。
すべての犯罪の犯人として逮捕された、使用人の合田に対し向けた工藤ちゃんの最後のセリフ。
「合田、バイクのヴェスパ、直してくれてありがとう。おかげで調子いいよ…」が泣かせる。
「さらば愛しき女よ」か「長いお別れ」といったところか。
レイモンド・チャンドラー
レイモンド・チャンドラー
ところが次のシーン。
相変わらず、もうもうと白煙を排気しながら走るヴェスパ。
結局、ヴェスパの調子は良くなっていないというシーンで終わる。
このあたりの緩急も「探偵物語」の魅力だ。
ちなみにヴェスパは、第8話「暴走儀式」で依頼主の自動車修理工で完全に修理してもらう。
まとめ
今回の「探偵物語」第1話・第2話は、期間限定ではなく据え置き配信枠。
とりあえず当面は、繰り返し観ることができる。
個人的には、第6話「失踪者の影」や第12話「誘拐」、第16話「裏切りの遊戯」などもお気に入りだ。
全話観るならAmazonプライム・ビデオの東映オンデマンドか、Huluに加入しよう。
1ヶ月限定で加入して、一気観するのもありだ。
[文中敬称略]
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