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【実録】福袋の作り方

新春に販売された某ファッションブランドの福袋が、チョットした騒ぎになっているらしい。
内容が価格にそぐわないとか何とか…
僕はテレビをあまり見ないので知らなかったんだけど、ワイドショーなどでも取りあげられて騒動は大きくなり、某ファッションブランドは返品を受け付けることになったという。

僕もかつては某レディースブランド(件のブランドではないよ)で福袋を作っていた。
僕の仕事は福袋用商品のセレクトだ…

福袋はこうして作られる

価格を決める

まず、福袋の販売価格を設定する。
数を売るなら5.000円、単価を取るなら10.000円といったところだ。
場合によっては、両方作る。

価格が決まれば、内容の価格を決める。
5.000円の福袋なら2〜3万円くらい、10.000円なら5〜6万円程度。
価格が決まれば、入れる商品の選定に入る。

福袋用商品を作る

本来、福袋は売れ残った商品を詰めあわせて特別価格で売る、というものだった。
しかし最近では、福袋専用の商品を作っているところも多い。

僕が働いていたブランドでは、1点福袋専用商品を作り(アウターであることが多い)、それと在庫商品とを組み合わせるというやり方をしていた。

福袋専用商品にはコストをかけられないので、ありもののデザインを使い(デザイン・パターン費を抑えられる)、素材はメーカーが持っているもの(余剰在庫など)を使う。
コストは抑えられているが生産ラインは通常と変わらないので、モノは決して悪くはない。
むしろシンプルなデザインなので、ふつうに着やすいものが多い。
意外と販売スタッフなど、身内にも評判が悪くないことは、デザイナーには内緒だ…

在庫データを元に、商品を選定する

本来の目的である、在庫商品から福袋に入れる商品を選ぶ。

これがけっこう手間のかかる作業で、福袋の個数と価格帯、商品のテイストを合わせた選別が必要とされる。
福袋に入れた商品は、少なくともそのシーズンは店頭で通常販売できないので、できるだけロスが発生しないように組み合わせていく。
まぁ、難しい作業ではないのだけど、とにかく手間のかかる作業だった。

商品リストができれば、物流に送って作成に入る。

福袋の作成

ファションブランドの福袋を幾つか買った経験がある方はご存知だと思うが、元の値札が付いているブランだと付いていないブランドがある。
値札が付いている方が元の価格がわかるので、お得感が大きいかもしれないが、福袋専用品を入れている場合はそれができない。
福袋専用品に販売価格などないからだ。
販売実績のない仮の販売価格の値札をつけて販売すると、法律で処罰されることになる。

だから、僕の場合は値札を全てとってしまう。
福袋作成の手間は増えるが、法を犯す危険は避けないとね。

こんな形で数百個単位の福袋を毎年作っていた…

福袋の返品は可能か?

基本的に福袋は返品不可だ。
店頭にも必ずそう表記している。
可能なら、中身を見て気に入らなければ返品する、なんてこともできるからね。

でも中にはキズや汚れの商品が入っている場合があるので、交換には応じる(どんなに注意していても、数百個の中にはそういう商品が含まれている場合がある…)。
そのために、各店には必ず2〜3個の予備の福袋、交換用福袋を用意している。

まとめ

今回騒動になっったファッションブランド福袋の中身を、僕は見ていないんだけど、噂によるとかなり酷いものであったらしい。

確かに、福袋は簡単に作ろうと思えば、いくらでも簡単に作られる。
適当に商品を袋に詰めるだけでいいからだ…

でもそんなことをすれば、今回のようにすぐバレる。
しかも最近はSNSなどネットの情報も進んでいるから、すぐに広まってしまうしね。

でも、ちゃんと作っているブランドはちゃんと作っているんで、福袋に過度な期待は持たず、一点でも気に入ったものが入っていればラッキー、くらいの気持ちで買って欲しいな…

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