かねてから評判は聞いていたが、主要人物が女子で日常系ということでスルーしていた(女子の日常系は5〜6話くらいで挫折した「けいおん!」で懲りている…)。
しかし2020年春にアニメ化されるということで、タダなら見てやろうということで録画しておいたものを観てみたら、ブッ飛んだ。
おもしろい。
おもしろすぎたので、観終わってすぐにコミック(Kindle版)既刊4冊を大人買いしてしまった。
「映像研には手を出すな!」だ。
アニメ「映像研には手をだすな!」
月刊!スピリッツに連載されている、大童澄瞳のマンガを原作としたアニメ。
監督は「四畳半神話大系」や「DEVILMAN crybaby」の湯浅政明。
▷ 「DEVILMAN crybaby」これを見るためだけにNetflixに加入する価値がある!
NHK総合で毎週日曜日の24:10(月曜日0:10)から絶賛放送中だ(近畿地区のみ日曜日12:45から…)。
芝浜高校の1年生、アニメ好きで常に自作のイメージボードを持ち歩く浅草みどり、アニメの知識はゼロだが金儲けには目がない金森さやか、実家が金持ちなカリスマ読者モデルだが実はアニメーター志望の水崎ツバメ。
この3人の女子高生が、自分たちのアニメ作品を作るために映像研(映像研究部?)を立ち上げるところから物語ははじまる…
しかしこの3人組、島本和彦のマンガ「アオイホノオ」(ほぼ実話)で語られていた、ガイナックスの初期メンバーにキャラクターが似ている。
メカや設定を考えるのは得意だが人物を描くのが苦手な浅草みどり=庵野秀明、キャラクターデザイン(特に美少女?)が得意な水崎ツバメ=赤井孝美、画は描けないが金儲けプロデュース能力に長けた金森さや=山賀博之。
とすれば映像研の顧問になる藤本先生は、さしずめ岡田斗司夫といったところか…
こんなふうにアニメは、それぞれの得意分野で分担共同作業するのがふつうだ。
そう考えると、キャラクターデザインやメカデザイン、設定画、脚本から演出までひとりでやってしまう宮﨑駿は、やっぱり天才なんだろうな…
第1話の見どころは「未来少年コナン」?
そんな宮﨑作品が、このアニメにも登場(?)する。
浅草みどりがアニメ好きになるきっかけになった作品は「残され島のコナン」。
これはVODのサムネが完全に「未来少年コナン」だ(ちなみに「未来少年コナン」の第1話のタイトルは「残され島」)。
1978年4月からNHKで放送されたアニメ。
宮﨑駿の初監督作品だ。
アレグザンダー・ケイのSF小説「残された人びと」を原作としているが、内容は大きく違う。
最終戦争後の頽廃した地球で、少年コナンが逞しく生きていく姿を描く。
後の宮﨑作品、ナウシカやラピュタ、もののけなどの片鱗を多々見ることができる作品。
ジブリファン・宮﨑ファンで、観たことがない・知らない人は必見の名作だ。
さらに浅草みどりらが潜入する、アニメ研究会で上映されているのも、「未来少年コナン」。
ラオ博士が操縦するフライング・マシーンに乗り込むコナンとラナ、動き始めたギガントの周りを飛ぶファルコ改、飛んでいるギガントの翼を疾走するコナンなどのシーンを浅草みどりがオタク的に解説する。
これは原作のコミックにはない、アニメならではのシーンだ。
作品そのままの転用ではなく新たに書き直されているが、オープのングテーマ、カット割りから声優の声(?)など、何から何までほとんどオリジナルどおり。
さすがNHKアニメだ。
僕はこれで、もう一度「未来少年コナン」を見たくなった。
以前DVDボックスを持っていたのだが、もう見ることはないだろうと処分(売却)してしまった。
Amazon Videoのdアニメストアで見れるから、無料期間を利用して見直すかな…
未来少年コナン
Amazon Video
まとめ
なんとなく見始めた「映像研には手を出すな!」だが、1話にして魅了された。
主人公たちが男か女子かなんて、この作品では関係ない。
どっぷりとオタク的アニメ世界に浸れば良いのだ。
独断と偏見で、2020年春アニメは「映像研には手を出すな!」一択と断言しておく。
[文中敬称略]
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