今年(2018年)1月に予約販売された神保町ブックフェスティバル限定Tシャツ。
サイバーパンクファッションのためのTシャツをハヤカワSFがリリース!!
第27回神保町ブックフェスティバルで購入できなかった人のための企画であったのだが、相変わらず好評だったようだ。
そんなわけで(?)、早川書房のSF・Tシャツがブランド化され販売されることになった。
「HAYAKAWA FACTORY」だ。
今回は、その第1弾ということで、神保町ブックフェスティバル限定Tシャツでも人気があったと思われる「ソラリス」「一九八四年」「ニューロマンサー」に、「華氏451度」「火星年代記」、そしてあの「宇宙英雄ペリー・ローダン シリーズ」が加わっている。
華氏451度
何の説明もいらないくらいの、レイ・ブラッドベリの代表作にして、SF小説の名作だ。
公的機関による焚書で、一般市民の知識・情報の統制をテーマにしたこの作品は、監視社会の恐怖をテーマにした「一九八四年」と並んで、現代社会が持つ危険性と驚くくらい共通するところがある。
半世紀以上前の作品ではあるが、今だからこそ読みたい1冊だ。
ちなみにタイトルの “華氏451度” は、紙(本)が燃え始める温度。
そしてなにより、ラストの森のシーンは涙がでるくらい美しい…
Tシャツ【華氏451度】 ブラック
三省堂書店 楽天市場店
Tシャツ【華氏451度】 ホワイト
三省堂書店 楽天市場店
火星年代記
これも「華氏451度」と並ぶレイ・ブラッドベリの代表作のひとつ。
地球人の火星進出、火星人との戦争、地球での核戦争、地球人の火星への移民…、など、タイトルどおり年代を追って描く連作短編集だ。
“火星人” というあたりが、いかにも古典SFというイメージではあるが、そこは名手ブラッドベリ、寓話的な示唆に富んでいて今読んでも決して古びていない。
ブラッドベリの作品は、読みやすいのに奥が深いというのも特徴のひとつといって良いだろう。
Tシャツ【火星年代記】 ブラック
三省堂書店 楽天市場店
Tシャツ【火星年代記】 ホワイト
三省堂書店 楽天市場店
宇宙英雄ペリー・ローダン
500巻を超える、世界最長のスペースオペラ小説。
当然1人の作家によって書かれているわけでなく、複数の作家によるリレー小説。
そのため(?)作品内には多くの矛盾が発生し、一部では本シリーズのファンを “マルペ(○の中にペ)” と揶揄している。
個人的には、村上春樹の「風の歌を聴け」に登場する架空の作家、デレク・ハートフィールドの作品「冒険児ウォルド」は、これがモデルじゃないかと、勝手に思っている…
僕は1冊も読んだことはないし、これからも読むことはないだろう(たぶん…)。
でもTシャツは、特にイラスト版はポップで良さそうだ…
Tシャツ【宇宙英雄ペリー・ローダン】 イラスト
三省堂書店 楽天市場店
Tシャツ【宇宙英雄ペリー・ローダン】 タイトル文字
三省堂書店 楽天市場店
ソラリス
以前白状したように、僕はこの作品を読んでいない。
2度ほど映画化されているようだが、それも見ていない。
よって、語れることは何もない…
とはいえTシャツは、なかなかカッコイイ。
再販されるのも頷ける。
Tシャツ【ソラリス】 ネイビー
三省堂書店 楽天市場店
一九八四年
監視社会をテーマにした、ジョージ・オーウェルのディストピア小説。
これをSFといって良いのかどうかは意見が分かれるところではある。
多くの作品に影響を与えており、村上春樹の「1Q84」はタイトルでも一目瞭然で、作品内に登場する正体不明のリトルピープルは、「一九八四年」のビッグブラザーと対になっているのではないか、ともいわれている。
リドリー・スコットが監督したAppleのCM、「1984」は「一九八四年」のアンチテーゼ的な作品だ。
1984年から30余年、すこし遅れて「一九八四年」の世界に現実が近づいてきていると感じるのは、僕だけだろうか…
Tシャツ【一九八四年】 ブラック
三省堂書店 楽天市場店
ニューロマンサー
何の説明も必要ない(?)、サイバーパンクの金字塔、ウィリアム・ギブスンの長編SF小説。
このブログでも何度か言及しているので、いまさら何もいうことがないくらいだ。
ウィリアム・ギブスンの初期スプロール3部作がKindleで読める時代に感謝!!
初期スプロール3部作+ディファレンス・エンジンがKindle化されたのは良いけど、それ以降は絶版状態だし、「Zero History」と「The Peripheral」は邦訳さえされていない。
マイナーな作家ではあるし、出版したところでたいして売れないだろうけど…
せめて邦訳済みくらいはKindle化して欲しいな…
Tシャツ【ニューロマンサー】 ブラック
三省堂書店 楽天市場店
まとめ
今回は第1弾ということなので、第2弾以降も楽しみだ。
個人的には日本の作家、藤井太洋の「Gene Mapper」や短編集ではあるが「公正的戦闘規範」、伊藤計劃の「虐殺器官」や「ハーモニー」を期待したい。
あとはウィリアム・ギブスンで僕が一番好きな「カウント・ゼロ」。
レイ・ブラッドベリが今回2作品Tシャツになってるから、ウィリアム・ギブスンも良いよね。
まぁ、ブラッドベリほどメジャーじゃないけど…
[文中敬称略]
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