こんな時期だから、あえて読む! ウイルス・感染症をテーマにした小説3選

ヒュウガ・ウイルス 五分後の世界II
世間では悪い風邪が流行っている。
緊急事態宣言により、むやみに外出することができない。

そんな時は自宅で読書をするのに良い機会でもある。
ここはあえて、ウイルス・感染症をテーマにした小説を読んでみてはいかがだろうか。

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復活の日


今回の事態でニュースやワイドショーでも多く取り上げられている、日本SF界の巨匠 小松左京の代表作のひとつ。

スパイによって盗み出された生物兵器である殺人ウイルスが、飛行機事故でアルプス山脈に撒かれる。
世界中に広まった殺人ウイルスは、やがて人類を含む地球上の脊椎動物のほとんどを死に追いやる。
南極大陸で生き残った各国の観測隊員は、人類の存続をかけてワクチンの開発を始めるのだが…

この作品は映画化もされているのだけど、その描写が今現在の状況を予測しているようだ。
特に医療崩壊を起こしている診療所に、患者が殺到している様子はリアルで恐ろしい。

驚くのは、原作の小説が書かれたのは1964年。
半世紀以上前にこの状況を予測していた小松左京は、やはり天才だ。
小説・映画ともに、必読必見の名作だ。

映画版はAmazonプライム対象になっている。

赤死病の仮面


エドガー・アラン・ポーは米国の小説家。
代表作のひとつ「モルグ街の殺人」は、世界最初の推理小説といわれている。
「赤死病の仮面」はゴシック風恐怖小説。

某国で赤死病という疫病が流行っていた。
感染すると体中から出血し死に至る。
国王は赤死病を避けるため、臣下・友人とともに外界と隔離された城内に立てこもり、毎日のように饗宴にふけるのだが…

僕はこれを、中学か高校の国語の教材で読んだ。
その時感じた薄ら寒さを、今でも覚えている。

これが書かれたのは1842年。
実に200年近く前だ。
この頃からウイルス・感染症は、人類にとって恐怖の対象であったことが分かる。

「赤死病の仮面」は、短編だからサクッと読める。
これを機会に、怪奇と幻想のポーの世界に浸ってみてはいかがだろうか。

ヒュウガ・ウイルス 五分後の世界II


村上龍の「五分後の世界」の続編。
といっても登場人物の共通性はほとんどなく、冒頭に五分後の世界の梗概があるので、前作を読んでいなくても理解できる(たぶん…)。

舞台は第二次大戦で日本軍が無条件降伏しなかったIFの世界。
分割統治された日本で、アンダーグラウンド(UG)と呼ばれる日本軍は、地下に潜りゲリラ戦を続けている。
そんな日本でヒュウガ・ウイルスという致死性の高いウイルスが発見される。
UG軍細菌戦特殊部隊はヒュウガ・ウイルスを全滅すべく、発生現地に向かうのだが…

いつも研究熱心な村上龍の作品なので、ウイルスの設定が詳細で、まるで実在しているかのようだ。
UGとヒュウガ・ウイルスの戦いが、いちいち生々しい。

殺人ウイルスに打ち勝つ人間は、どういう人間なのか。
このあたりは前作と共通するテーマでもある。
やはり「五分後の世界」を読んでから読むべきだな。

まとめ

3作品ともオススメできる作品ではある。
しかし個人的には「ヒュウガ・ウイルス 五分後の世界II」を推したい。

これを最後まで読めば、今の状況でも生きていける気力のようなものが湧いてくる。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、やはり最後は生き残る意志のある人間が生き残るのではないだろうか。

それにしても幻冬舎の村上作品も、早くKindle化してくれないかな…

[文中敬称略]


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