昨年、消費者庁から発表された新しい洗濯表示記号。
完全実施は猶予期間が必要なため、1年半後の2016年12月1日からだ。
アパレル業界ではそろそろ準備がはじまるんで、改めて確認してみるとコレが非常に分かりにくい。
洗濯表示の新旧比較
水洗い表示
旧記号は昔の洗濯機を型どったものだろう。
まぁ最近は、こんな洗濯機はなくなったから変更したんだろうけど、新記号は僕にはすべて手洗いに見える。
弱水流での洗濯機洗いが、旧記号では「弱」の文字が入っているから分かりやすいんだけど、新記号は洗濯機(?)の下の「ー」が弱を表しているらしい(ちなみに「=」は「非常に弱い」を表している…)。
手洗いは手のマークで表しているようなんだけど、これだと適温が分からないね…
アイロン表示
しかし温度が、旧記号では「高、中、低」で表されていたのに対し、新記号は「・・・、・・、・」になっている。
「・・・」は200℃まで、「・・」は150℃まで、「・」は110℃までということらしいんだけど、分かりにくいね。
「高、中、低」でいいんじゃないの…
それに水洗い表示の「ー」は増えるほど弱くなるのに、「・」は増えるほど高くなるんだね。
う~ん…
漂白表示
新記号の三角形は、旧記号でも使われていた、科学実験などで使う三角フラスコを図案化したものだろう。
これも旧記号を知っているから分かったけど、そうじゃないと分からないよね…
旧記号にはなかった酸素系漂白剤の新記号、三角形に斜線が入っているだけなので、何がなんだか分からない。
ドライクリーニング表示
PとF、この違いはプロフェッショナルであるクリーニング屋さんが分かれば問題ないんだけど、これ自体がドライクリーニングマークだとは分かりにくい…
「ドライ」とか書いてくれている方が親切だ。
乾燥表示
極めつけはコレ!
旧記号は、いかにもシャツを干している感じで、非常に分かりやすかった。
新記号の真ん中の「|」はどうやら干している洗濯物を表しているようなんだけど、□の枠は何なんだろうね…
陰干しの左上斜線1本は、これで日陰になっていることを表現しているのか?
まとめ
総じて、より記号化が進みスタイリッシュになったようには思う。
国際規格に準拠する意味もあるという。
しかし、非常に分かりにくい。
旧記号は日本語表記が多く、直感的に理解できるような工夫がされていたが、新記号は意味を知らなければ理解できないだろう。
現実、旧記号でも一般消費者には理解されているとは言えず、店頭で説明すると感心されたりするのが現実だ。
新記号になるとその傾向は、さらに大きいものになるに違いない。
おそらく文言での説明文も併記されるだろうが、読まなくては理解できないものであれば記号に意味はない。
新記号実施に際する序文には
この規格は、繊維製品のケアの表示に使用すること、繊維製品の洗濯などの取扱いを行う間に回復不可能な損傷を起こさない最も厳しい処理・操作に関する情報を提供することを目的とし、表示記号及びその使用方法を明確にする体系について規定した。
とあるが、記号の一般認知化するにあたっての施策は、何か行われるのだろうか。
果たしてこれは、誰のための記号なんだろうか。
実際、消費者と直接対するのは販売業者だったり、クリーニング業者だったりするんだけどな…