2017年3月28日(日本時間)、iOS10.3の正規版がリリースされた。
大きな新しい機能やサービスの追加はなさそうなので、マイナーアップデートだと思ったら、根本的なアップデートがされているようだ。
iOS10.3のアップデート内容
iPhoneを探す
- AirPodsの現在の所在地または最後に確認された場所を見ることが可能
- 片方または両方のAirPodsから音を出して探し出しやすくすることが可能
Siri
- 支払い用Appを使用して、支払いを実行したり、請求書を確認したりすることに対応
- 配車サービスAppを使用して、配車の予約をすることに対応
- 自動車メーカー製のAppを使用して、車の燃料の残量確認、ドアのロックの状況確認、ライトの点灯、クラクションを鳴らしたりすることに対応
- インディアン・プレミアリーグと国際クリケット評議会によるクリケットのスコアおよび各種記録に対応
CarPlay
- 最後に使用したAppに簡単にアクセスできるショートカットをステータスバーに追加
- Apple Musicの“再生中”のスクリーンから“次はこちら”および現在再生中の曲のアルバムへ移動が可能
- Apple Musicの厳選されたプレイリストや新しいミュージックカテゴリが利用可能
その他の改善および修正
- iTunesで一度レンタルした映画はお使いのどのデバイスでも視聴が可能
- Apple IDアカウントの情報、設定、およびデバイスが一覧できる新しい設定画面
- “マップ”で現在の気温を3D Touchすると、時間毎の天気を表示
- “マップ”で“駐車中車両”の検索に対応
- “カレンダー”に迷惑な参加依頼を削除しスパムとして報告する機能を追加
- “ホーム”でアクセサリのスイッチやボタンでシーンを起動することに対応
- “ホーム”でアクセサリのバッテリー残量確認に対応
- Podcastに、3D Touchの対応を追加し、“今日”のウィジェット表示で最近更新されたコンテンツにアクセスすることが可能
- Podcastのコンテンツおよびエピソードは“メッセージ”で共有可能になり、メッセージ上で再生が可能
- 位置情報とプライバシーをリセットすると、“マップ”で現在地が表示されない問題を修正
- “電話”、Safari、“メール”でVoiceOverの安定性を改善
新ファイルシステム「APFS」
Appleのリリースノートを見ると、いつもの(?)マイナーアップデート程度の変更と思われるが、ファイルシステムもアップグレードされているという。
今まで使われていたのは、 “HFS+” というHDD(ハードディスク)時代に開発されたファイルシステムだった。
それをSSD(フラッシュストレージ)に最適化したファイルシステム “APFS(Apple File System)” に、今回のiOS10.3から変更された。
ファイルシステムをAPFSにすることで、マルチスレッドへの対応やファイルシステムの空き領域共有でき、システムが高速化されるという。
また暗号化機能が強化されることで、セキュリティの強化も期待できるらしい。
アップデート前にはバックアップが必須!
ファイルシステムが変更されることで、最悪の場合アップデート時にファイルが破損しデータが消える可能性がありそうだ。
正規版にリリースまでに、数段回のβ版で試験を繰り返してはいるが、過去にも正規版で不具合がみつかり即日配信停止、数日後に修正版が改めてリリースされたという例があった。
大事をとるためにも、アップデート前には必ずバックアップをとっておこう。
【保存版】万が一の時のために、iPhoneをバックアップする2つの方法
慎重を期するためにはiPhone(iPad)単体でアップデートするのではなく、iTunesでiPhone(iPad)を復元で初期化し、バックアップから復元するのが良いかもしれない。
多少手間がかかるが、そうすることで不要なファイルやデータが一掃でき、新しいファイルシステムの性能が発揮されやすいだろう。
また、通信環境にもよるだろうが、iPhone(iPad)単体でのアップデートでも30分以上かかったという情報もある。
ファイルシステムを変更するという、いつも以上の作業が加わっているためかもしれない。
方法に関わらず、外出前や外出先など、時間の余裕がない時のアップデートは控えたほうが良さそうだ。
まとめ
AirPodsユーザーにとっては、“iPhoneを探す” に追加された “AirPodsの現在の所在地または最後に確認された場所を見ることが可能” になったことは有用だろう。
しかし僕のようなAirPodsを持っていない人には、iOS10.3に目に見えて実感できる新しい機能はなさそうだ。
しかしファイルシステムの変更で、システムの高速化やセキュリティの強化など、実用面で魅力的な内容になっている。
一方、一部のユーザーでKindleアプリが起動しないなどの不具合も報告されている。
少しでも早くiOS10.3を体験したい、というのでなければ、数日から1週間程度ようすをみたほうが賢明かもしれない。
その間に未対応アプリもアップデートされるだろう。
僕もしばらくようすをみるつもりだ。