先日発売されたばかりの最新型iPhone、XRの増産が早くも中止されたという。
iPhone「XR」増産中止 台湾の委託先に要請【日本経済新聞】
どうやら、Appleの予定どおりには売れていないようだ。
カラーバリエーションといい、同時期に発売された機種(iPhone Xs)の廉価版的な立ち位置といい、AppleのCEO ティム・クック氏自身が事実上失敗作と認めたiPhone 5cを想起したのは、僕だけではないはずだ。
XRがなぜ売れないのか、検証してみよう。
高価!
AppleはXRに対して “廉価版” といった表現は使っていなかったように記憶している。
しかし同時期に発売されたXsと比べ、本体スペックこそ変わらないものの、カメラ機能は劣るし3D Touchは搭載していない、ディスプレイも有機ELではなくふつうの(?)液晶と、事実上の “廉価版” と考えて良さそうだ。
にも関わらず、価格はXsが112,800円〜に対し、XRは84,800円〜と、わずか28,000円の差(いずれも税別)。
これでは、特にiPhoneマニアはXsを選択するだろう。
せめて、あと1万円くらい安ければ、少し状況は違ったかもしれない。
発売順が逆!
XsとXRは、2018年9月12日(現地時間)のApple Special Eventで、同時に発表されている。
しかし発売されたのは、Xsが2018年9月21日、XRが2018年10月26日と、1ヶ月もハイエンド機であるXsの方が早い。
ハイエンド機が先に発売されてしまえば多くの人はそちらを購入し、後から発売される “廉価版” を購入する人は少ないだろう。
ちなみに、前期モデルのiPhone 8とXは、8の方が先に発売され、新機能満載のXは1ヶ月以上遅れて発売されている。
Xの発売が持ちきれず8を購入し、発売が開始されると改めてXも購入した、というツワモノもいたようだ…
XRは4インチモデルとして発売するべきだった!?
XRは6.1インチディスプレイ、Xsは5.8インチなので、わずかにXRの方が大きいが、ほぼ同じ6インチモデルと考えて良いだろう。
ならばXRは大きさを変えて4インチモデル、影の人気機種(?)iPhone SEの後継機として発売すれば良かったのではないか(ホームボタンを排し、狭額縁にするなら4.5〜5インチくらいになるかもしれないが…)。
今回のiPhone新機種の登場で、Apple Storeでの販売を終了してしまったSEであるが、未だに根強いファンが多く、後継機を期待する声も少なくない。
iPhoneだけでなくAndroidも6インチ(以上!?)が主流になってきている。
実用範囲での小型スマートフォンに、一定数以上の需要があるはずだ。
個人的にも、防水機能とApple Payを搭載した小型のiPhoneが発売されれば、今の愛機 iPhone 7の後継機有力候補になるのだが…
まとめ
iPhone XRが売れない一番の理由は、誰に対して、どの層に対して売りたいのか見えないところだろう。
ポップなカラーバリエーションで若い層に売りたいのであれば、もっと買いやすい価格にする必要がある。
Xsとの差別化が十分でなく、とても中途半端な端末になってしまっている。
これならXsにポップなカラーバリエーションを持たせた方が市場が広がったかもしれない。
5cには、どちらかというと擁護派の僕であったが、XRに関しては残念ながらフォローする部分を見つけることができない。
とはいえ実際には、とてもスタンダードで必要十分な性能を持った端末(逆にいえば、これといった特徴がない、ということになるけど…)なので、今後少しずつユーザーを増やしていく可能性がなくはないかもしれない。
今回の結果はXRに原因があるのではなく、Appleのマーケティングのミスといえるのではないだろうか。
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