青空文庫は、日本国内において著作権が消滅した文学作品などを、TEXT形式などで無料で公開し、ダウンロードできるサイト。
夏目漱石や芥川龍之介など日本を代表する文豪から、江戸川乱歩や吉川英治などのエンターテイメントまで、数多くの名作がラインナップされている。
片岡義男など著作権が継続中の作品も、著者の好意で無料公開されている作品もある。
何といっても無料なので読まないのはもったいない。
専用のアプリなどもリリースされているので、スマートフォンやタブレットで読むことが可能だ。
しかしKindleで “快適に” 読むには多少の手続きが必要だ。
青空文庫をKindleにインストール
KindleはHTMLやPDF、TEXT形式のファイルを認識、表示できる。
青空文庫からは、ZIP形式に圧縮されたTEXTファイルや、XHTMLファイルなどでデータをダウンロードすることが可能だ。
今回は片岡義男の「夏と少年の短編」の、ZIP形式に圧縮されたTEXTファイルをKindleで読んでみよう。
青空文庫からダウンロードしたZIPファイルを、TEXTファイル(青空文庫形式)に解凍し、そのままKindleにインストールしてみた。
表示された。
しかし横書きだ。
しかも記号注釈もそのまま表示されたうえ、青空文庫形式なのでルビ(読み仮名)も《》で囲まれた形で表示されている。
読めないことはないが、やはり縦書で快適に読みたい。
そのためには専用のアプリを使って、Kindleに最適化されたファイルに変換する必要がある。
AozoraEpub3で青空文庫形式のファイルをKindleに最適化する
TEXTやZIPなどの青空文庫形式のファイルを、Kindleに最適化されたMOBIファイルに変換してくれるアプリがAozoraEpub3だ。
ファイル形式を変換してくれるだけでなく、縦書き表示にもしてくれる。
KindleGenでAozoraEpub3の変換環境を作成する
からパソコン(Mac)にダウンロードし、解凍しておく。
これだけではMOBIファイルに変換できないので、KindleGenをAmazonの専用サイトからダウロードし解凍する。
解凍してできたKindleGenフォルダーの中のkindlegen.exeファイルを、先ほどダウンロードし解凍してできたAozoraEpub3フォルダーの中にドラッグ・アンド・ドロップする。
これでAozoraEpub3を使って、TEXTファイルをMOBIファイルに変換できる環境が整った。
kindlegen.exeをドラッグ・アンド・ドロップした後のKindleGenフォルダーは、必要ないので削除してかまわない。
AozoraEpub3の使い方
AozoraEpub3フォルダー内のAozoraEpub3.jarをクリックして起動。
[端末設定]を開き、リストの中から[Kindle PW]を選択。
青空文庫からダウンロードしたZIPファイルを、下空白部分にドラッグ・アンド・ドロップ。
確認画面が起動するので、内容を確認し[変換]をクリック。
この段階で左上のグレー部分に、表紙画像(JPGなど)をドラッグ・アンド・ドロップしておけば、表紙として結合される。
今回はないのでパス。
すぐに変換が終わり、元のZIPファイルと同じ場所にMOBIファイルが作成された。
MOBIファイルをKindleにインストールする
KindleをパソコンにUSB接続し、Kindleフォルダー内のdocumentsフォルダーに、作成したMOBIファイルをドラッグ・アンド・ドロップ。
Kindleを確認すると…
インストールされている。
開くと…
縦書き表示になっている!
このページにはないが、ルビも漢字の横に小さく表示されるはずだ。
一般のKindleファイルと同じように、辞書やハイライト機能も使えるぞ!
まとめ
青空文庫がKindleで快適に読めるのは、とても便利だ。
Kindleは青空文庫リーダーとしても、最適な端末ではないだろうか。
新刊書籍もイイけど、まだ読んでいない名作が、世の中にはたくさんある。
個人的には、日本語のお手本とのいうべき夏目漱石がオススメだ(最近の村上春樹の文体が、夏目漱石に似てきている、と感じるのは僕だけかな…)。
今まで日本では、作者の死後50年で著作権が消滅するとされていた。
しかし最近、国際的な基準に合わせて著作権の消滅を作者の死後70年に、20年延長しようという動きがある。
こうなると2020年には無料で読めるはずの三島由紀夫の作品が、2040年まで読めないことになる。
すでに無料公開されている、江戸川乱歩や吉川英治の著作権が復活するのかどうかは分からない。
しかし読みたい本は、早く読んでおいた方が良さそうだ。
[文中敬称略]
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