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高城剛氏の愛読書!? 夢野久作「ドグラ・マグラ」


いつもの(?)高城剛氏のメールマガジン、「高城未来研究『Future Report』」のQ&Aコーナーに、オススメの小説に対する質問があった。

▽Q.15▼▽
古い作品でも構いませんので、オススメの小説があれば教えてください。
年末年始に読もうと思ってます。

【 A 】
十代の頃から、およそ十年おきに読んでいる古い作品がありまして、それが夢野久作の「ドグラマグラ」です。
自分の成長と世相の移り変わりで、毎回読後感が異なる、まさに奇作だと思います。

【高城未来研究所「Future Report」Vol.341】

「ドグラ・マグラ」は僕も20年以上前に読んだことがある。

ドグラ・マグラとは

「ドグラ・マグラ」は、夢野久作の探偵小説。
夢野の代表作といって良いだろう。
1935年刊行というから、もう80年以上前の作品だ。

探偵小説ということで、殺人事件や推理があり、一応(?)の結末があるものの、果たしてそれが真実なのかどうか分からない仕組みになっている。
結末がそのまま導入部に繋がるという、独特の筋立ても特徴のひとつだ。

というと難解、読みにくいというイメージだが、そんなことはない。
こなれた文章で、ふつうに読み進むことができる。
少し長い話ではあるが、それほど複雑ではないので、読んでいる間にストーリーを見失うこともないだろう。
しかし読み終わって振り返ってみると、いったい何だったのかと、という気分にさせられる。

僕が読んだ本の帯には、“これを読むと精神に異常をきたすことがあります” 的なことが書かれていた記憶がある。
幸いなことに、僕は精神に異常をきたすことはなかったし、実際異常をきたした例を僕は知らない。
ただ、一種独特な不思議な気分にさせられたのは確かだ。

日本探偵小説三大奇書

「ドグラ・マグラ」は、小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」と中井英夫「虚無への供物」と合わせて、日本探偵小説三大奇書と呼ばれている。

この中でオススメは、何といっても「虚無への供物」だ。
「ドグラ・マグラ」と比べて、ふつうの探偵小説という側面が強いので、読みやすいし推理小説としても面白い。
さらにその後、「虚無への供物」と作者である塔晶夫(発表当時の筆名)こと中井英夫を題材にしたメタフィクション、笠井潔の「天啓の器」を読めば、虚実入り乱れた「ドグラ・マグラ」の読後と同じような気持ちになれるはずだ。

「黒死館殺人事件」については、書くことがない。
読んでいないからだ。
正確には読めていないが正しく、何度となく挑戦したが、いまだに完読できたことがない。
たぶん、もう読まないだろうな…

まとめ

高城剛氏が「ドグラ・マグラ」のような小説を、しかも繰り返し読んでいることは意外だった。
高城氏と「ドグラ・マグラ」のイメージが、うまく重ならないからだ。

しかし考えてみれば、結末が導入部に繋がるという読者を喰ったようなお話は、高城氏のキテレツな(?)思考や行動に影響を与えているのかもしれない。

僕も年末年始を利用して「ドグラ・マグラ」を、20年以上ぶりに読んでみようと思う。
しかし、このブログを書いていて「虚無への供物」の方を読みかえしたくなったのは内緒だ。

「ドグラ・マグラ」は著作権フリーなので、Kindleや青空文庫で無料で読める!

[文中一部敬称略]