少し前に、初期3部作がKindle化された村上春樹作品。
ついに悲願が叶う! 村上春樹 初期3部作「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」がKindle化に!
さらに文春文庫の短編集がKindle化された。
パン屋再襲撃
収録作品
- パン屋再襲撃
- 象の消滅
- ファミリー・アフェア
- 双子と沈んだ大陸
- ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・
ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界 - ねじまき鳥と火曜日の女たち
1986年4月出版で、短編集としては5冊目。
長編でいうと「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」と「ノルウェイの森」の間に出版されている。
注目は「ねじまき鳥と火曜日の女たち」。
タイトルからも分かるように、後に3部作の大長編「ねじまき鳥クロニクル」の原型になった短編だ。
これを読むだけでも値打ちがあるぞ!
TVピープル
収録作品
- TVピープル
- 飛行機―あるいは彼はいかにして詩を
読むようにひとりごとを言ったか - 我らの時代のフォークロア―高度資本主義前史
- 加納クレタ
- ゾンビ
- 眠り
1990年1月出版で、「パン屋再襲撃」に続く6冊目の短編集。
「ダンス・ダンス・ダンス」と「国境の南、太陽の西」の間に出版されている。
すべての作品は、村上春樹がヨーロッパ長期滞在中に執筆されている。
表題作の「TVピープル」は、「1Q84」に登場するリトル・ピープルの原型になったのでは、という噂もある。
レキシントンの幽霊
収録作品
- レキシントンの幽霊
- 緑色の獣
- 沈黙
- 氷男
- トニー滝谷
- 七番目の男
- めくらやなぎと、眠る女
1996年11月出版で、「TVピープル」に続く7冊目の短編集。
「ねじまき鳥クロニクル」と「スプートニクの恋人」の間に出版されている。
「めくらやなぎと、眠る女」は、短編集「螢・納屋を焼く・その他の短編」(未Kindle化)に収録されている「めくらやなぎと眠る女」の一部を修正し、改題したもの。
読み比べてみるのも面白いかもしれない。
女のいない男たち
収録作品
- ドライブ・マイ・カー
- イエスタデイ
- 独立器官
- シェエラザード
- 木野
- 女のいない男たち
2014年4月出版の最新短編集。
最新長編の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の後に出版されている(いずれも2016/10現在)。
著書に“まえがき”や“あとがき”をほとんど書くことがない村上春樹には珍しく、少し長めの“まえがき”がある。
まとめ
村上春樹というと長編作家、特に最近は2〜3巻と続く長い作品のイメージが強いが、短編集も面白いものが多い。
今回紹介した短編集は、どれも読んで損がないものばかりだけど、個人的には「パン屋再襲撃」をオススメしたい。
最近の落ち着いた春樹節(?)もイイんだけど、若い村上春樹のウイットに富んだ文体は今読んでも新鮮だ。
やっぱり僕は、初期の作品が好きなのかな…
それにしても村上春樹の作品がKindleで読めるなんて、良い時代になったものだ…
[文中敬称略]