皆さんはキャリアメールをお使いだろうか?
キャリアメールとは、携帯電話会社と契約した時にもらえる、「docomo.ne.jp」や「softbank.ne.jp」「ezweb.ne.jp」などのドメインを持つメールだ。
最近はスマートフォンの影響で、Gmailなどのウェブメールが浸透してきた。
さらに、LINEなどのアプリケーションメールも、すでに市民権を得ている。
また、MNP*1やMVNO*2の一般化がキャリアメールばなれに拍車をかけているようだ。
僕もふだん使っているのは、ウェブメールが多い。
では、本当にキャリアメールは不要なのか?
いくつかのポイントにおいて、二つのメールシステムを比較検討してみたい。
なお、ウェブメールサービスは僕が主に使っているGmailを例にしている。
取得方法
アドレスの取得方法は、圧倒的にウェブメールのほうが簡単だ。
数分で使えるようになるし、複数の取得も可能だ。
また、名前や生年月日、性別などを偽装することも不可能ではない。
キャリアメールは、携帯電話会社との契約が必要なため、身分証明書の提示など手続きが煩雑だ。
窓口までの移動時間も含めると使えるまで数時間はかかるし、ひとつの契約につきひとつのアドレスが原則だ。
最近ではネット経由でも契約できるが、そうするとsimカードが送られてきて回線開設までは、数日かかることになる。
利用範囲
利用範囲もウェブメールの方が広い。
パソコンやスマートフォンはもちろん、ウェブブラウザーがある端末であれば利用可能だ。
複数の端末で利用できることが、ウェブメールの一番の特徴だろう。
したがって、携帯電話会社を変更するときも、アドレスを変更する必要はない。
一方キャリアメールは基本的に、特定のsimカードを搭載した端末でしか、そのアドレスは利用できない*3。
また、携帯電話会社を変えるとアドレスも変更されてしまう。
セキュリティー
メールアドレスとパスワードだけでアクセスできるウェブメールはセキュリティー面では不安視されていた。
しかし、最近では2段階認証の導入などで、セキュリティー面も強化されてつつある。
キャリアメールは特定の端末でしかアクセスできないため、比較的セキュリティーは高いといえる。
また、携帯電話回線もwifi回線と比べて、ハッキングしにくい。
まとめ
予想どおりウェブメールのほうが平均値が高い。
キャリアメール不要論が出てくるわけだ。
ウェブメールだけでも、ほとんど不便はないだろう。
しかし、セキュリティーはキャリアメールメールのほうに軍配があがる。
Gmailの2段階認証の設定もキャリアメールか電話番号を使う。
ネット銀行のセキュリティーキーの送信先は、キャリアメールに限定、推奨されている。
それだけキャリアメールのセキュリティーの高さが認められている証拠だろう。
僕はウェブメールとキャリアメールを使い分けている。
公的なメールのやりとりはウェブメール、ネット銀行やクラウドサービスなど、高いセキュリティーが必要なワンタイムパスワードなどの送信先はキャリアメールにしている(私的なメールのやりとりは、LINEやFBMessengerを使っている)。
今後さらに、ネット銀行やクラウドサービスなど、高いセキュリティーが必要とされるウェブサービスの需要が増えてくるはずだ。
ユーザーもそれぞれの特徴を理解し、使い分けていく知識が必要になってくるだろう。
MNP*1 番号ポータビリティ(Mobile Number Portability)。電話番号を変更せずに携帯電話会社を変更できるサービス。
MVNO*2 仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator)。携帯電話回線を他の事業者から借りて、通信サービスを行う事業者。ほとんどがdocomo回線を使用しており、卸元より安くサービスを提供している。
そのアドレスは利用できない*3 ドコモメールは2013年12月からweb化している(要設定)。