子供の頃(といっても中学生くらい?)、夕方の再放送で楽しみにしていたテレビ番組がある。
ユニオン映画製作の、石立鉄男主演ホームドラマだ。
そのいくつかが、Amazonプライム・ビデオで視聴できる。
おひかえあそばせ
池西猪太郎(大坂志郎)は退職金で家を購入し、6人の娘と引っ越す。
その家を購入できる条件は、薫(石立鉄男)を居候させること…
記念すべきユニオン映画製作と石立鉄男のコンビドラマ第一作。
正確には石立鉄男は主演ではなく、オープニングの配役紹介でも最初に出てくるのは大坂志郎。
石立鉄男は、レギュラーキャストの最後に表示されるので、準主役といったところか。
しかも石立鉄男は、後にトレードマークとなるアフロヘアではなく、ふつう(?)の髪型。
キャラクターも3枚目ではなく、どちらかというと2枚目。
そういう意味でも、必見のドラマといって良いだろう。
もともと野球中継の雨傘番組(雨などで野球中継が中止になった時に放送する番組)なので、話数も1クール13話と少なく、中途半端な印象は拭えない。
というわけで(?)同じコンセプトで、後に「雑居時代」としてリメイクされることになる。
おひかえあそばせ
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パパと呼ばないで
しがない独身サラリーマンの安武右京(石立鉄男)は、急死したシングルマザーの姉の娘・千春(杉田かおる)を引き取り育てることになるが…
ダウンタウンの松ちゃんも大好きだという伝説のドラマ。
石立鉄男のモノマネで、「チー坊!」というのを知っているのはアラフィフ世代だろう。
天才子役と呼ばれた杉田かおるの演技は、今観ても涙を誘う。
脚本には、直木賞作家の向田邦子も参加している名作ドラマだ。
ただ、どういうわけかAmazonプライム・ビデオでは、第3話以降更新されていない(ブログ執筆時点)。
Amazonレビューでも、更新の希望が殺到している。
ぜひ全話公開してほしい。
パパと呼ばないで
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雑居時代
貧乏カメラマンの大場十一(石立鉄男)は、ひょんなことから5人姉妹と同居することになるが…
先に述べた「おひかえあそばせ」のリメイクドラマ。
コンセプトはそのままに、配役が大きく変更されている。
何といっても5人姉妹の次女・夏代役の大原麗子の美しさが目を引く。
十一とケンカしながらも惹かれ合うという、ある意味ラブドラマの王道。
このドラマでも五女・阿万里役で杉田かおるが出演。
石立鉄男と息のあった演技をみせてくれている。
初対面の場面、「君、お米やさんの二階にいなかった?」という楽屋落ち的なセリフも楽しい(前作「パパと呼ばないで」では、右京と千春は米屋の二階に下宿していた)。
ただ重要な2つの問題が解決せず終わってしまうのが残念。
阿万里の出生の秘密は夏代には知れたが、その後他の姉妹には知らされぬまま、何もなかったかのように話は終わる。
十一も父に勘当されたまま、和解せずに終わってしまう。
若干、消化不良な印象が残る作品だ。
雑居時代
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水もれ甲介
ドラマーの三ッ森甲介(石立鉄男)は、父の死をきっかけに実家の水道屋を継ぐことになるが…
弟・輝夫役の原田大二郎の作業服姿がカッコいいのだが、何といっても妹・チャーミーこと朝美役の村地弘美の可憐さが光る。
愛らしいルックスとロングヘアーで、いかにも美少女といった佇まいだ。
後半、体調を崩した母に代わり、お手伝い兼事務員として雇った陰山まこと(川口晶)が登場してから話はより盛り上がる。
家族とは血の繋がりではないことを感じさせられる、心温まるドラマだ。
水もれ甲介
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まとめ
今現在、石立鉄男のような役ができる俳優がいるのだろうか。
三枚目だが、ふとした時に見せる二枚目な顔。
最近ではなかなか見ないような気がする(大泉洋はどうだろうか。三枚目から二枚目までそつなくこなし、綴れっ毛も共通しているし)。
「パパと呼ばないで」と「水もれ甲介」では、昔懐かしい下町の風景も楽しむことができる。
東京と大阪の違いはあるが、僕が子供の頃見ていた景色と似たものがある。
そういう意味でも、とても懐かしいドラマだ。
(文中敬称略)
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