僕のミニマリズムの原風景は、パターン・レコグニションにある

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僕の好きな作家のひとりに、ウィリアム・ギブスンがいる。
言わずと知れた、サイバーパンクの雄だ。
「攻殻機動隊」や「マトリックス」なども、間違いなくギブスンの影響を受けている。

ギブスンの作品の特徴のひとつに、登場人物の服装を細かく、時にはブランドまでも描写するところにある。
特に「パターン・レコグニション」には、その傾向が強く、後にアパレルブランドとコラボレーションが実現したくらいだ。

しかも、そのファッションは華美なものではなく、僕たちの大好きなミニマルなものだった。

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パターン・レコグニションにおけるミニマリズムファッション

主人公ケイス・ポーランド(♀)の普段着はこうだ。

縮むだけ縮んだフルーツオブ・ザ・ルームの少年向き黒Tシャツ、ニュー・イングランドのある私立中学の指定業者から半ダース単位で仕入れた、Vネックのグレーのセーター、新品で大きめのサイズのリーバイス501の黒ジーンズ。


お出かけスタイル(?)はコレ。

流行の服飾品がならんだソーホーの専門店のショーウインドーに映るケイスの会議用CPUは、フルーツオブ・ザ・ルームの新品のTシャツと、バズ・リクソンの黒のMA-1ジャケット、タルサのスリフトで買った無印の黒のスカート、ピラティス用の黒のレギンス、原宿の女子学生用の黒の靴。ハンドバッグの代用品は、イーベイで買った東ドイツの黒いラミネート封筒――秘密警察官給品の本物ではなくても、かなりいい線までいっている。


CPUはもちろん中央演算処理装置ともかけてあるんだけど、文中での意味はケイスのボーイフレンド、デミアンが名づけた名称だ。

CPU。ケイス・ポーランド・ユニッツの略。それはデミアンが彼女の服装を評してつけた名称だ。CPUは黒か白、もしくはグレーで、人間の介在なしにこの世界に出現したように見えるのを理想としている。


さらに、こう続く…

他人の目にはミニマリズムの極北に見える…

作品内でも語られているように、コレってミニマリストのファッションだよね。

これを読んだ時は、まだミニマリストなんて意識していなかったけど、知らない間に影響を受けていたのかもな…
http://re-cyberrat.info/post-4243

バズリクソンズのウィリアム・ギブスンモデルは、この小説から生まれた

ちなみにバズリクソンズの黒いMA-1は、レギュラー商品としてはなかったんだけど(一時期、限定商品としてつくられたという情報もある)、この作品が欧米で出版されると、バズリクソンズの欧米販売代理店のイーストマン社に問い合わせが殺到したという。

これがきっかけで、バズリクソンズとウィリアム・ギブスンのコラボレーションが実現し、MA-1のみならず、本来は存在しないはずの黒いミリタリーウェアが各種販売されるに至った。

ウィリアム・ギブスンモデルはBEAMSなどのセレクトショップで扱われていたこともあるし、ネットショップを見ても在庫がない状態が多いから、けっこう人気があるんじゃないかな。
個人的には、こういうコラボレーションは大好きだ。

実は僕も、以前ウィリアム・ギブスンモデルのMA-1を持ってたんだけど、処分してしまった…

まとめ

この作品にかかわらず、ウィリアム・ギブスンの作品はとてもファッショナブルでカッコイイ。
こんな作品群が、今はほとんど古本以外で読めないのは残念だ。

まともに読めるのは代表作の「ニューロマンサー」くらいか。

少し前に再販された、ブルース・スターリングとの共著「ディファレンス・エンジン」や、最近限定再販された短篇集「クローム襲撃」も、おそらく店頭在庫があるくらいなんじゃないかな。

近作の「Zero History」や「The Peripheral」は、いまだに邦訳されていない。
早川でも角川でもいいんで、早く翻訳して出版して欲しい。
浅倉久志さん、よろしくお願いします。

てかサイバーパンクなんだから、全作品を電子書籍化しろよな!
できればKindleで…


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