映画の民主化は近い!?「ガヨとカルマンテスの日々」をAmazonプライム・ビデオで鑑賞


2022年11月26日から一週間限定で劇場公開された、高城剛監督・脚本・撮影の「ガヨとカルマンテスの日々」。
残念ながら東京の劇場のみの公開だったので、大阪住みの僕は観に行くことができなかった。
しかしありがたいことに、Amazonプライム・ビデオで配信が始まった。

ストーリー

米国国家財政破綻後の世界。
カリブ海に浮かぶ新自由主義と民主社会主義の間で揺れる小国で、為政者とマスコミによってテロ容疑を着せられたマルラは、余儀なく逃亡生活を送り、精神安定剤(カルマンテス)を片時も離せない日々を送っていた。
一方、ルイスは国外脱出資金捻出のため、闘鶏(ガヨ)に人生を賭け、一発逆転を夢みる。
マルラは前世療法と出会い、徐々に本当の自分を取り戻すが、「分断した世界」のなかで、世界初の精神安定剤の市販化を目論む極右勢力によって治療家は惨殺。
日々、社会が混沌するなか、マルラとルイスは「ある決意」をする。

感想

とにかく情報量が多い。
高城剛自身が「フィクションだけど、未来のドキュメンタリーのように」作った、といっているから当然か。
ただ全編がスペイン語だから、字幕を追うだけで必死だ。
キューバの美しい街並みや風景を楽しんでいる余裕がない。
できれば吹替版も作成して欲しいくらいだ。
そういう意味で十分に楽しみたいと思えば、2度3度観る必要がありそうだ。
僕は初見より、2度めの方が内容をよく理解できた。

芥川龍之介の「報恩記」が原作とされている。
安土桃山時代を舞台にした歴史小説が、どのように生かされているのかと思ったが、確かにこれは「報恩記」だ。
この作品のストーリーを十分に理解するためには、「報恩記」を読んでおいた方が良いかもしれない。
短い小説だし、Kindleでは無料で読めるのでぜひ。

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芥川龍之介

前半は脈絡がない会話劇が繰り返される。
このあたりは個人的に、クエンティン・タランティーノの一連の作品を思い起こされる。
時折、時系列をさかのぼってストーリーが、モザイク的に進むのもタランティーノ風か。
しかし、それらの伏線は後半ですべてうまく回収される。

ラストに主人公のひとり、マルラの演説。
今の高城剛が、最も主張したいところと感じたがどうなのだろうか。

アルフレッド・ヒッチコックのように、どこかで高城剛がカメオ出演しているのではないかと思ったが、みつけることはできなかった。
出演していないのだろうか。

SONY α1 10台、G Masterレンズ20本、1シーン1テイクを基本とし、録音技師も不在で照明も三脚も使わず、ドライリハーサルもカメラリハーサルも行わず、その場で編集し音楽制作も行う…
結果、1ヶ月強の予定だった撮影日数は、半分以下の2週間に短縮でき、クランクインから6週間後にほぼ全編完成したという。

この作品が映画民主化の先駆けになるのかもしれない。

まとめ

映画を観終わった後、「NEXTRAVELER FILMS & TOOLS」を見るのも楽しい。
使用した機材だけでなく、撮影風景なども多く収録されているからだ。
「これはあのシーンの撮影か」などと、想像しながら見るのもこの映画の楽しみのひとつだ。

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とにかく高城剛の発言や動向を日々追いかけている、僕にような人間には必見の作品といえるだろう(僕は最初290円でレンタルしたが、結局1,800円で購入してしまった…)。
しかし高城剛を知らない映画ファンは、この作品をどう観て、どう評価するのだろうか。
そのあたりにも興味がある。

ガヨとカルマンテスの日々
Amazonプライム・ビデオ

[文中敬称略]


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