位置情報サービスは、iPhoneなどのスマートフォンにとって便利な機能ではある。
地図アプリやナビゲーションアプリでは必須だし、Pokémon GOなど位置情報サービスを利用したゲームもある。
しかし設定を誤ると、住居や職場などの行動範囲を知られてしまい、個人情報の漏洩にもつながる危険性がある。
今一度、設定を見直しておこう。
iPhoneの位置情報設定方法と注意点
[設定]>[プライバシー]から[位置情報サービス]を選択。
[位置情報サービス]をオンすると、アプリ個別に設定できる。
必要な設定を選択する。
選択肢は、以下の3つ。
- 許可しない
このアプリに一切の位置情報の利用を許可しない。 - このAppの使用中のみ許可
このアプリの使用中(表示中)のみ位置情報の利用を許可する。 - 常に許可
このアプリの起動・終了に関わらず、常に位置情報の利用を許可する。
通常は必要なものは “このAppの使用中のみ許可”、必要ないものは “許可しない” で良いだろう。
特に写真アプリやSNSアプリで “常に許可” や “このAppの使用中のみ許可” を選択していると、写真や投稿に位置情報が連動されるので、見た人に撮影場所や投稿場所が知られてしまう。
必要なければ(特に女性は)、写真アプリやSNSアプリの設定は、“許可しない” を選択しておこう。
かつては悪意のあるSNSアプリもあった。
充分な確認が必要だ。
便利機能とセキュリティー強化は裏表!?
[位置情報サービス]をオフにしておけば、すべてのアプリを一括して位置情報を利用不可にでき、事実上iPhoneのGPS機能をオフにすることができる。
位置情報でのセキュリティーは強化されたことにはなるが、iPhoneの便利機能[iPhoneを探す]も使えなくなる。
[iPhoneを探す]は、iPhoneを紛失・盗難された時に位置情報で探すだけでなく、遠隔操作ですべてのデータを消去することもでき、逆にセキュリティーに特化したシステムだ。
万が一の時のために、[iPhoneを探す]だけでも “このAppの使用中のみ許可” にしておいた方が良いだろう。
ちなみに[位置情報サービス]をオフにしても、モバイル通信で接続していると、キャリアの基地局データからiPhoneの位置を特定することは可能だ。
完全に位置情報を秘匿する場合は、[機内モード]などを使って一切のネットワークから離脱する、スタンドアローンであることが必要だ。
まとめ
当初、iPhoneの位置情報の選択肢は、アプリ個別でもオンとオフの2つだった。
それがiOS8以降、“このAppの使用中のみ許可” が選択できるようになった。
しかし人気アプリでも、未だに “このAppの使用中のみ許可” が選択できないものもある。
2017年秋にリリース予定のiOS11では、“このAppの使用中のみ許可” の選択肢が全アプリに義務づけられるという。
Appleの「共有する情報を最小限にすることで、ユーザーのプライバシーを保護する」という趣旨に基づくものだ。
この個人情報セキュリティーに対する姿勢も、Apple人気のひとつの要因かもしれない。
とはいえAppleも、かつてiOS4でユーザーの位置情報を密かに記録(?)していたんだけど(現在は解除されている)…