大阪人の必読書!? 堀晃著「梅田地下オデッセイ」をKindleで読む


大阪人として以前から気になっていたSF小説があった。
タイミングが悪く入手できず、ずっと読み逃していたのだが、先日著者の堀晃自身がネット上に無料公開していることを知り、読んでみた。
「梅田地下オデッセイ」だ。

HORI AKIRA:梅田地下オデッセイ – 堀晃

スポンサーリンク

堀晃とは

堀晃は、兵庫県出身のSF作家。
今となっては数少ないハードSFの書き手だ。

関西在住ということで日本SF界の巨星、小松左京や筒井康隆とも懇意であったらしい(そう考えてみると、日本のSFは関西が発祥地か!?)。

寡作家で著書は少なく、現時点(2018年1月)で長編は「バビロニア・ウェーブ」のみで、あとはすべて短編だ。

もっとも有名な作品は、日本SF大賞も受賞した「太陽風交点」だろう。
これは作品自体もさることながら、単行本を出版していた早川書房と日本SF大賞を後援していた徳間書店との、文庫版出版を巡っての訴訟問題として記憶している人も少なくないかもしれない。

梅田地下オデッセイ

1970年代(?)の梅田の地下街を舞台にしたSF中編小説。
梅田の地下街に閉じ込められた主人公が、地上への脱出を試みる話。
というとアクション小説っぽいが(多少その要素もある…)、完全なSFに仕上がっているので、それは読んでのお楽しみだ。

この小説が書かれたのは1978年というから約40年前(!)。
まえがきにもあるダイヤモンド地下街、ディアモール大阪はとうの昔に完成しているし、駅名も北新地駅に決まり僕も何度か利用した。

梅田の地下街は、“梅田ダンジョン” や “梅田ラビリンス” と呼ばれるくらい複雑だ。
大阪の人でも迷うことが多い。
僕も数年前まで仕事で週に2〜3回は梅田地下を使うことがあったが、それでもすべてを把握しているわけではなく、いつもと違うことろに向かう時は道案内標識が必須だった。

大阪駅と梅田がほぼ同じ場所を指しているということも、関西以外では知らない人も少なくないだろう。
また地下鉄の駅は、梅田駅と東梅田駅、西梅田駅があり、30分以内であれば改札を出てそれぞれの駅間で乗り換え可能というのも、不思議なシステムだ。

いまだに各所で再開発が進み、大阪の地下に広がり、姿を変えていくようすは、まるで意思をもつ生物のようだ(!?)。
ある意味、これ以上SF小説の舞台にふさわしい場所はないのかもしれない。

サイバーパンク的な側面もあるので、現代の梅田地下街を舞台にした「新・梅田地下オデッセイ」を誰か書いてくれないかな。
梅田地下街とハッカーの対決、みたいな…

梅田地下オデッセイをKindle化する

僕はこれをKindle化して読んだ。

サイトで公開された全文を、コピペしてテキスト化し、これをmobiファイル(Kindleファイル)に変換する。
基本的な作業は、以前このブログで紹介した、青空文庫のKindle化と同じだ。

青空文庫をKindleで快適に読む! Kindleを使いこなすための活用術【その2】

ただ、どういうわけか僕の環境下(MacBook Air 2013 mid)では、うまく変換できず盛大に文字化けしてしまった。
調べてみると、タイトル部分の “梅田地下オデッセイ” の “デ” の書式に問題があったようで、この一文字を削除し入力しなおせば無事変換できた。

もちろんこれは僕個人のための作業で、このデータを有償無償に関わらず第三者に譲渡することはない。

まとめ

とはいえ、僕が堀晃を読むのは、実はこれが初めてだ。
作品自体が少なかったことと、個人的には短編より長編が好きなこともあって読めずにいた。

今回「梅田地下オデッセイ」を読んでみて、非常に読みやすく、そしてなにより面白い作家だということが分かった。
これを機会に読んでみようと思うのだが、意外とKindle化されている作品が少ない。
唯一の長編「バビロニア・ウェーブ」と、トリニティシリーズの短編集「遺跡の声」だけのようだ。
「遺跡の声」には「太陽風交点」が入っているので、とりあえずこれから読んでみるかな。

それにしても、無料公開されている「梅田地下オデッセイ」の、まえがきの日付を見ると1996年、約20年前には公開されていたようだ。
もっと早く気づくべきだった。
探し方が足らなかったのかもしれない。
ネット上には僕が知らない、気づいていないものが、まだまだ眠っているのだろう…

[文中敬称略]


こちらの投稿もいかがですか

懐かしくも切ない… 「アベノ橋魔法☆商店街」は、埋もれさせるには惜しいアニメだ!
そのタイトルから大阪南部で育った人間として、とても興味があったので、ぜひ見てみたいと思っていたんだけど、なかなかタイミングが合わず、今回Hu...
スポンサーリンク